(きた日誌)「風邪をひいて 声が出ません。かすれます」の方の共通点
スギ・ヒノキの花粉症時期が終わり
梅雨に入り そろそろ イネ科雑草花粉症も ひと段落
今度は「風邪をひいたみたいです。数日して 声が出なくなりました。声がかすれてしまいました。」
と 受診する方が増えています
各種ウィルス感染はありますが いわゆる 風邪症状の方が多いようです
気温・湿度・気圧など天候変動が大きい気候
4月以降 大人も子供さんも 環境が変わり ちょうど疲れが蓄積してくる
エアコンがいるかな いらないかな と日中や寝室の温度管理も難しい
湿度が上がると からだの水代謝が悪くなったり カビなども増えてくる
色々な 原因があることでしょう
さて 風邪症状の中でも 「声が出なくなった。声がかれた。」となると 耳鼻科に受診される方が多くなります
もちろん 咳がひどい たばこを吸う など 当然の理由はありますが
ここで 私が必ず聞く質問があります
それは その原因が とても多いからでもあります
まずは「いびきをかいたり 口を開けて寝ていませんか?」
睡眠時無呼吸症候群は いまや国民病の一つといえるほどで 当院での 多くの患者さんの検査や治療をしています
口呼吸で寝ている方は ほんとうに多いです
やはり 口を開けて寝ていると 夜間 のどや声帯が乾燥して 一晩でも 声が不調になってしまいます
必要と判断される方には 検査をおすすめしていますし 日常の養生を大切にする方針として
口とじテープ 鼻呼吸誘導マスク オイルやジェルによる保湿 などをおすすめして とても好評です
さらに「市販の風邪薬 総合感冒薬を飲みませんでしたか?」
病院に行く時間がない とりあえず風邪薬を飲んでおこう そういう方は多いと思います
いつも診察でお話ししているのは 風邪薬・総合感冒薬は 風邪を治す薬ではない ということです
というと 販売されている会社から怒られそうですが あくまでも これは風邪の症状を抑える・減らすことが目的であって
治すのは 自分自身だということです
特に 市販の風邪薬・総合感冒薬には 鼻水などを強力に止めるための
やや古い世代の抗ヒスタミン成分が多く含まれていたりします
要は 粘膜がからからに乾いてしまう ということになり 数日飲むと 声がかれてきてしまいます
目の前の症状を 一時的に止めるための薬 と自覚して 服用しましょう
何度か ブログでもご紹介したことがありますが 私の好きなことば
野口晴哉師は『風邪の効用』で こう伝えられえています
風邪は 自然の健康法である
風邪は 治すべきものではない、経過するものである
自然な経過を乱しさえしなければ、風邪をひいた後は、あたかも 蛇が脱皮するように 新鮮な体になる
これは すべての病気、症状にもあてはまる
いまの 薬による対症療法の医療では
原因となる生活習慣を無視して 症状を止め 本来の治癒力の邪魔をし いつまでも病気という殻を脱げないようにしてしまう
しっかりと 自然な経過を乱さず 脱皮して 新しいこころとからだになる
そんなお手伝いができる医療を こころがけたいと思います
ただし 調子が悪いままで 我慢し過ぎず 耐える ということではいけないので
診察にはいらしてくださいね