在宅で治療されておられる方、施設に入所されている高齢の方 が増えていることもあって、
耳鼻科への往診依頼も増えています。最近はちょうど重なって、毎週往診にうかがっています。

耳鼻科は、耳や鼻、のどなど、細く、こまかい部分を観察、診察、処置しますので、往診でうかがっても、
できることに制限がありますが、やはり耳鼻科医でないとできない処置も多いのも事実です。

先日も、聞こえが悪い という訴えで往診に行かせていただきました。
家族の方との意思疎通も悪くなり、気分も落ち込むし、補聴器をつけないといけないかなと悩んでおられました。

耳の中を観察すると、耳の中に耳垢がつまっていて、さっそくそれを除去すると、とたんによく聞こえるようになられました。耳鼻科では、比較的よくあるケースなのですが、掃除をするだけで、急によくなるという意味では、耳鼻科医としてのうれしい瞬間でもあります。

患者さんは、
「先生、ありがとうございます! ぜんぜん違う!! すごくよく聞こえます!!!」
と、握手もして、喜びをわかちあいました。

診察にこられても、耳垢をとることで難聴が改善することはありますが、往診で行って、すっかりよくなり、大喜びしていただけると、また違ううれしさを感じられました。

自宅であまり動けない生活をされている方が、さらに聞こえが悪くなって、周囲の方とのコミュニケーションが減った時のストレス、しんどさを考えると、これだけ喜ばれるのもわかる気がしました。

処置としては、耳のお掃除という簡単なことかもしれませんが、そこにある患者さんのつらさの改善は、他の重い病気にも負けないくらいの 大きなものでした。

きたにし耳鼻咽喉科