インフルエンザといえば、冬季の季節性。

例年は、年内 または 年明けの乾燥低温の時期に流行するという認識ですが、
☑ ここ数年の新型コロナウィルス感染パンデミック
☑ 通常 大流行するはずの冬季季節性インフルエンザの 小規模な流行
☑ さらには 功罪両面ある自粛・マスク生活の影響
もあいまって、私たちのからだには、インフルエンザに対する備えがなくなり、からだのマスクである”粘膜”のはたらきも落ちています。

こうした理由から、ここのところ この暑い時期にもかかわらず、発熱でクリニックを受診される方の中に、インフルエンザ感染と診断するケースが増えてきています。いつもは、夏にインフルエンザの検査自体を行わないので、そもそも夏に感染者がいるかどうかは、正確にはわからないともいえます。

先の「きた日誌」にも書きましたが、ここ数年同様、暑いこの季節にも、インフルエンザとともに、新型コロナ感染や罹患後症状での受診も 依然として続いています。

ここ1,2年の感染後症状では、倦怠感が強く、学校にも行けなくなった学生の方も多く診察させてもらっています。繰り返しになりますが、~で新型コロナ後遺症が治る!ということではありませんし、全員といっていいくらいに、個々で治療や対応は異なりますが、当院でのEAT(Bスポット治療・上咽頭擦過療法)をはじめ、水素吸入、鼻うがいやオイルなどの点鼻セルフケア、各種サプリメント(抗酸化サプリ、BCAA、SPM、LPS、亜鉛、グルタミン、ビタミンA・Dなど)、バイオレゾナンス、日常養生・呼吸指導など を取り入れていただくことで、少しずつ 改善に向かうケースを見るとうれしくなります。先日も、後遺症外来では何も治療法はなく、長期に学校に行けなかった学生の患者さんが、当院での継続的な治療のあと、通学し始めたと報告をいただきました。少しずつ、焦らず、自分の生活を取り戻していってほしいですね。

また、味覚嗅覚の低下も受診の多い症状です。やはり先の方と同様、こちらは成人女性ですが、治療により改善していかれました。
「感染前よりも、調子がよくなりました」
「以前から不調で困っていた自律神経症状、更年期症状も、改善しています」
と涙を流して喜んでいただきました。

こうしたケースで私が学ばせてもらったのは、症状が出ている局所だけの治療では改善しないということと、からだをトータルで治療すれば、病気になる前よりもさらによくなるんだ、ということでした。病気を治すということは、元のからだに「戻す」ことではありません。新しいからだ、こころを「創る」ことです。

ぜひ不調をかかえておられる方には、今までにない 新しい自分自身を「創る」ことを念頭に、治療や養生につとめていただきたいと思います。まだまだ暑い日々。寝顔に癒されるうちのわんちゃんですが、この暑さにはややグロッキー気味です…

きたにし耳鼻咽喉科