(ブログ) 「鼻・のどの違和感」
「鼻・のどの違和感」、「鼻がのどの落ちる」、「後鼻漏」
これらは、耳鼻科に受診されることの多い症状です。さらにいうと、どの耳鼻科に行っても解決しない、解決しにくい症状ともいえるでしょう。今回ご紹介のケースは、以前から受診されていたので、コロナ禍、外出自粛とは直接 関係はないようです。あらためて、セルフケアの大切さ、効果を、私たち医師が教わったように思います。
70歳代男性。数年以上にわたって、鼻・のどの違和感、後鼻漏などに悩まされてきた。
ある耳鼻科にいって、レントゲン写真を撮り、アレルギー血液検査を行ったが、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎はないとの診断で、特に治療はなかった。
その後、色々な耳鼻科に行って、ファイバー検査、CT検査などを受けたが、異常なし、との診断。ある耳鼻科では抗アレルギー剤、ある耳鼻科では抗生物質、去痰剤。ある耳鼻科では漢方薬。色々と薬を処方されるが、目だった改善はなかった。
ある耳鼻科では、最近注目されている、慢性上咽頭炎と診断され、EAT(詳しい説明は省きますが、慢性上咽頭炎の治療に一つで、塩化亜鉛を上咽頭に塗布する療法)を続けて受けたが、これもまた、症状が改善されることはなかった。
ついに、お困りになって、当院を受診。
当院には、いくつもの病院・耳鼻科を受診されたが治らなかった方、いくつもの薬を試したが治らなかった方が多く受診される。
逆にいうと、あらためて、これまでやってこられた治療法を試す必要がない、という意味では、いいのかもしれないと感じることもある。
これまでもご紹介してきた、鼻うがい・馬油点鼻・コパイバマリマリなどを使って、セルフケアしていただくことを提案させてもらった。使用されて、1か月、2か月…。だんだんと、症状が改善してきた、と報告いただいた。
5か月、半年…と継続され、診察の際には「こんなに調子いい状態は、今までなかった」とおっしゃってもらった。
一切、薬、処置などなく、症状が著明に改善した。
※機関誌『COPAIBA』にも、当院を取り上げていただきました。
筋肉体操 谷本道哉さんが、筋トレについて「やるか、すぐやるかだ」と、みなさんのやる気を高めておられます。
まさに、セルフケアについても同じことが言えそうです。やはり、調子がよくなっておられる方は、必要な検査や薬は使われたうえで、ご自身の病気や症状についてよく理解され、さらにセルフケアをきっちり行っておられます。
耳鼻科医としても、セルフケアは、「やるか、すぐやるか」です。