WHO(世界保健機関)は
2050年までに 世界で25億人が難聴になると予測しています

さらに 中年期の難聴は 認知症のリスクファクターになります


※出典:Livingston G, et al Lancet 2017

スマホで ゲームや音楽を四六時中
若い世代の難聴も 社会問題となっています

昔は とことん聞こえなくなった方が 最後に使う手段として補聴器を
と考えられていた時代ですが 今や早めに補聴器を使うことが推奨されています
→ 日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会 ”難聴啓発プロジェクト”

ただし 注意点があります

実例として(詳細は編集しています)
70歳代の方
10年以上前から まちの補聴器屋さんで 補聴器を購入した
当初から つけてもあまり聞こえなかったが ますます聞こえなくなってきた
また新しい補聴器の購入をすすめられたので 自ら耳鼻科での診察を希望されて 来院

診察で見てみると 両耳に 耳垢がぎっしりつまっていた(耳垢栓塞)
さっそく 除去してみると 「先生 補聴器がうるさすぎるくらいです!」
似たようなケースを 何例も 経験しました

聞いてみると
・一度も耳鼻科で診察を受けたことがない(お店で 耳鼻科での診察をすすめられたこともない)
・お店では 正確な聴力検査を受けたことがない(ご本人談)
・かなり高額な補聴器を購入
・悪くなるたびに 買い替えをすすめられていた
・身体障がい手帳について 一度も 説明を受けたことがない
ということでした

私自身は 「日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会 補聴器専門医」を取得しており 「難聴 身体障がい者手帳 認定医師」でもあります
また 最近は 補聴器を扱う専門職として「認定補聴器技能者」という 機器やフィッティングをしっかりと行うことができる資格があります

聞こえづらさを感じている方 補聴器ってどうかな?と考えている方 ご家族が聞こえが悪くてお困りの方…
できれば 耳鼻咽喉科(可能であれば 補聴器相談医)を受診されて 病気の有無、治療の必要性、補聴器の必要性などを しっかりと判断していただくことをおすすめします

先にお示ししたように 病気が隠れている場合、補聴器が必要がない場合、うまくフィッテングできていない場合、必要な高額機器の購入を勧められる場合、身体障がいに該当している場合 など 多くの問題が発生しています

決して「どんな補聴器を買っても一緒」と考えて まちなかで適当に購入する 前に
しっかりと考えて ご検討いただきたいと思います
補聴器による聞こえやすさは 機器の金額では決まりません
その方にあった補聴器の調整法で決まります

→当院では 認定補聴器技能者による 補聴器外来 を開設しています(ただし 完全予約制
①第2・4水曜日 午後4時30分から 午後6時
➁第1・3金曜日 午前10時から 午後12時
補聴器に関しては 診察 または お電話で ご相談ください

 

きたにし耳鼻咽喉科