よくあるケース1
〇〇歳 〇性
脳疾患で治療をうけた後、めまい、ふらつきが続く。
脳神経外科では、CT・MRIを撮影して 「もう問題はない」
内科では、採血には異常なし。メシル酸ベタヒスチンなどが長期間処方されているが、いっこうに改善しない。
「これは耳鼻科で診てもらって」
といわれて 耳鼻科に診察にこられる。

よくあるケース2
△△歳 △性
出産後、ふらつきが続き、からだのしんどさがとれない。
婦人科では「みなさん、そんなもんです」
やはり内科、神経内科 色々と受診するが、検査には異常がないといわれる。
アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物顆粒を処方されたが、いっこうに変わらない。
「これは耳鼻科で診てもらって」
といわれて 耳鼻科に診察にこられる。

よくあるケース3
✕✕歳 ✕性
外科で胃の手術を受けた。手術は成功したが、術後からふらつきがとれない。
耳もなんとなく調子が悪い。
外科では、「手術は問題ありません」
心療内科で診察を受けても、抗不安剤などが処方されたが あまり変わらない。「ストレスですね」
「これは耳鼻科で診てもらって」
といわれて 耳鼻科に診察にこられる。

よくあるケース4
◎◎歳 ◎性
以前からめまい、ふらつきがとれない。
内科、脳外科、耳鼻科など診察を受けるが改善しない。
”めまい専門外来”を受診したら、ほとんど話は聞いてもらえずに、
「みんな 治らないんですよ」
これではダメだと、当院に来院された。

これらは 特定の方を指してはいない 作り話ではあるが、こういった話は、来院される方 また 電話・メールなど、色々な形での相談で とても多いケースである。

通常の診察では
必要な検査を行う→原因を探りあてる→その原因を薬で治す
このストーリーを 医師も患者さん側も期待しているし、当然 検査で不調の原因がわかるものだと考えている。ところが、特にめまい・ふらつきといった症状では、検査で異常が指摘されることは非常に少ない。そうなると、「うちの診療科の病気ではない」「耳鼻科で診てもらって」となる。

耳鼻科でめまいやふらつき症状のある病気は、色々とある。医師も病名をつけたがるメニエール病を筆頭に、前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症 BPPV、最近では持続性知覚性姿勢誘発めまい PPPDなど…

ただ、上にあげたようなケースで、こうした耳鼻科の診断がつくことは少ない。もっといえば、病名が確定しなくても、症状が改善し、不調から抜け出せている方はたくさんおられる。
どうしても、私たちは、からだは個々の臓器の集合体、不調な臓器を治せば症状が改善する、そう考えるが、決してそうではない。

めまいのリハビリを指導したら、日常生活が調子がよく過ごせるようになった。
検査では指摘されなかった、かくれ貧血を改善したら、ふらつきが取れた。
お話をお聞きするだけで、調子よくなりました、といって帰られる方もいる。
生活習慣の見直しをお伝えするだけで、薬が一切要らなくなった。
足りない栄養素に対して、食養生やサプリメントを適切に使うことで、朝からしんどくて動けなかった方が、仕事や授業に復帰できた。
EATと呼ばれる 上咽頭炎治療を行うと、劇的に不調が改善した。
などなど。

最近、「傾聴」の大切さについて、セミナーで お話をうかがう機会があった。時間の制約がある 現代の診療には、検査と薬はじゅうぶんにあるが、話をしっかりとお聞きする「傾聴」が足りていない。
しっかりと 不調で来院された方のお話を聞き、そこに潜んでいる ”ひっかかり” を解いて、治る方向性を探っていく。これが、私たちの役割だと 毎日考えさせられる。

一般西洋医学では「病気を治さないと健康になれない」
伝統医学・からだを全体としてとらえるホリスティック医学では
「健康に、また健幸に過ごすことで、病気が治っている」

きたにし耳鼻咽喉科