先日 理事をしている
日本メディカルホメオパシー学会に参加、座長も担当させていただきました。

ホリスティック医学の父 ともいえる 帯津先生をはじめ 日本統合医療学会代表理事 伊藤先生ほか
多くの先生から 学ばせていただきました。西洋医学的な対応では改善しないケースにも ホメオパシーが役立つことも多く、
日常診療にも 心強い味方になります。

米寿を迎えられた 帯津先生は 声力、お顔色、肌艶もよく
さらに、酒席もご一緒しましたが、私たちとは比べ物にならないくらい お酒もたしなまれておられました。今も診察をされている帯津先生のお話をうかがうと、私たち医療者は、患者さんの自然に治る力を信じ、じゃまなことをせず、それにゆだねて、手助けだけをする。それが一番大切で、一番欠けているところだと再認識させられました。

 

ホメオパシーでは、Case taking といって 十分に時間もかけて 受診された方からお話をうかがいます。
人生の物語を聞く とおっしゃる先生もおられます。では、通常の診察の際の「問診」と同じでは?何が違うの?と思う方もおられるでしょう。

一般的に、通常診察の問診では 短時間で的確に情報を得て、正確な診断にたどりつき、適切な治療をするということが求められます。

そこでは、
受診者側は「自分が不調と感じていること」「自分で不調と関係していると思っていること」をお話しされます。
一方で、
聞く側の医療者も「それで?それで?」「それはいいから、この症状に関係することだけ言ってください」と どんどんと急かすように、お話を聞いていきます。

果たして、そこにほんとうの不調、ましてやその原因が 含まれているでしょうか?
症状をお持ちで受診された方も、自分では病気と関係ないと思っていたことが、実はとても大切な情報であったり、医師が考える疾患名の症状ではないことが、実は不調の原因であることは少なくありません。

ホメオパシーをご存じの方は、どんなレメディが適しているのか?ということに 視点が向きがちですが、
こうしてお話をうかがい、また受診された方も、色々なことを話すことで、自分で気づかない不調の原因にたどり着いたり、話すことだけで症状が軽くなることもあります。

単に、機械的に診断して、治療薬を出すのであれば、AIにやってもらう方が、適切な診断治療をすることでしょう。
ホメオパシーをはじめ 各種療法の醍醐味やその効果は、おそらく、こうした双方のやりとり・対話の中にこそ あるのだと思います。

 

きたにし耳鼻咽喉科