(きた日誌) 副鼻腔炎は養生から 病気は問診から
耳鼻科では 花粉症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、上咽頭炎、嗅覚味覚障害 … で 多くの方が来院されます。
色々な病気には 診断・治療ガイドライン というものがあり 多くは そのガイドラインなどに沿って 治療されます。
ただ 年齢や性別が違う 体重・体格が違う 生活環境が違う 食生活が違う もっている病気が違う 薬の効果が違う
これだけ背景が違うひとが 同じ病名であれ 同じ薬で治る と考える方が 無理がありそうです
常々『自身自医』『予防は治療にまさる 養生は予防にまさる』とお伝えしていますが
標準的なガイドラインによる治療はもとより 自らのケア からだのお手入れ 日々の養生こそが 不調脱出には必要です
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『慢性副鼻腔炎を自分で治す』(マキノ出版)→ You tube 「本要約チャンネル」
※今後 新装版を出版予定
おかげさまで 各種書籍やYou tubeなどをご覧になり 受診いただく方も多くなっています。
決して ここに挙げたものだけでなく 自身の生活を振り返り 自分自身を最高の主治医として 調子を調えていただきたいと思っています。
ご紹介するケアを取り入れて「何十年と治らなかった症状が、よくなりました!」という声をお聞きすることもあり、私自身が驚かされます。
また 最近は AI問診など AIを使って問診して 時間の効率化や早期診断に活かすクリニックも 多くなっているようです。
ただし これにも注意が必要です。自らの問診では 患者様自身が感じて 大切だと思っていることしか 拾うことはできません。いくらAI問診といっても 患者様自身が言わない限り その情報が届くことはありません。
診察をしていると あらためて 対面での問診の大切さを いまも思い知らされています。
ケース1
私「何か飲んでいる薬はありますか?」
患者様「特に何も飲んでいません。ただ…」
私「ただ 何でしょうね?」
患者様「高血圧の薬だけは飲んでいます!」
要は 患者様の中では 降圧剤は もう薬の治療とは思っておられないんですね!これは対話で聞き出さないとわからない…
ケース2
患者様「アレルギー症状が出て、困っています。花粉症でもないんですが、他の病院で花粉症と言われました」
私「どうも 症状が出る季節が 花粉症とは違いますね」
患者様「そうなんです」
私「食べ物 生活習慣 何か飼っているものなどは ありませんか?」
患者様「病院の診察では何も聞かれないので、お伝えしたことはないんですが うさぎを飼っています。
そのえさ(草、わらなど)をあげる部屋に行くと 調子が悪くなります」
私「それかも です!」
このケースも 長年飼っている場合は特に 患者様は日常の生活として ペットなどが原因とは考えておられません。
ケース3
患者様「あたま からだがなんとも不調です。でも色んな病院で検査を受けても何も異常なしとして、治療してもらえません」
私「耳鼻科の不調がからだ全体の不調につながることも多いですよ。あとは 生活習慣、睡眠、食生活など 何かかわったことはありませんか?」
患者様「そういえば 不調になる少し前から ダイエットをやってみて、結構 体重が減りました。10kg以上も」
私「それかも です!」
これも 患者様にとっては ダイエットなどは からだにいいことをしているので ことさら問診で言うことではない もしくは なんとなく言いにくいと考えられて 何回目かの診察の時にようやくお話しされる方もおられます。
やはり 日常にこそ 病気の原因があり 治るヒントがある
医師になって 何年経っても それを実感しています。