(きた日誌) 耳鼻科医にとって 耳鳴りは…
ありがたいことに メディア・雑誌・書籍等で 当院を知ってもらって、
さらに 患者様の主治医の先生が 私のクリニックを知ってもらっていて
市外はもとより 県外などの遠方から 新幹線や車などを使って ご来院いただくケースがあります。
先日も 遠くから ご家族と ご来院いただきました。
オンライン診療を取り入れていますが やはり 直接お話をお聞きすることに勝る診察はない と思っています。
※ 当院では 健康保険オンライン診療(再診のみ)・自由診療オンライン診療(初再診可)があり、それぞれ診察の目的などにより、選択していただくことになります
遠方からご来院いただく症状で 最も多いものは やはり『耳鳴り』です。
もしかすると 誰もが経験したり 感じている症状でありながら 決定的な治療法がない症状
きょくたんにいうと 耳鼻科医にとって 耳鳴りは 永遠のテーマともいえるでしょう。
他覚的な検査が難しく(他人にはわからない・正確に症状の数値化ができない)、一時的にでも 症状を止める方法がないことが、耳鳴りの苦痛を高めています。また、症状は「耳鳴り」ということば一つで表現されますが、その内容や経過、背景などは、個々人でまったく異なります。要は、〇〇さんに効いた方法だから、△△さんに効く とはいえないということになります。
当院には、他のクリニックや総合病院・大学病院の耳鼻科で、場合によっては 耳鳴専門病院で
耳鳴りの診断や治療を受けてから、来院される方が多いのですが、決まって 主治医の説明は、
・何もすることはない
・慣れるしかない
・歳のせい
・気のせい
・死ぬ病気よりはまし
そんな 心にもないことばが並びます。
さらに 病院での説明でショックを受けて 症状が悪化して来院されることも しばしばです。
遠方から 当院を受診いただいた場合 何か特殊な薬を使っているのか? とっておきの秘策があるのか?
答えは ノー です。
それぞれのケースの症状や経過、背景をお聞きしながら
病気の内容を説明して理解していただき
↓
医療や生活環境などで いま 必要と考えられることをお伝えし
↓
病気を 症状を 家族関係を 生活習慣を 自身を 見直していただく
実は、それが答えであり どんな大学病院でも どんな総合病院でも どんな耳鳴専門病院でも
しっかりと行われていないこと でもあるのです。
内服加療が必要な場合はもとより 補聴器、TRTなどによる音響療法
さらには ご説明の上で 自由診療として 各種抗酸化・栄養関連、プラセンタ、サプリメント、ホメオパシー、バイオレゾナンス などなども 行うケースがあります。
耳鼻科を受診していても 補聴器にすら触れられず ただ「何もすることはない」と言われた。
藁をもすがる思いで あるクリニックの自由診療を受けたが ただ高額なサプリメントをすすめられるだけで 何も変わらずに1年、2年と経過してしまった。これも決して珍しいことではありません。
また 日本の喫緊の課題である、孤独・孤立対策も 必要になります。お一人暮らしの高齢者さんのご相談も多く、この場合は決して、耳だけを治すのではなく、少しでもからだを動かし、手足を使い、頭を使い、日々の・将来の不安感を減らす これこそが、耳鳴軽減の第一歩でもあります。
まずは 医師の傾聴から。
お話をお聞きして 不調からの抜け出せる方法を いっしょに考えていきたいと思います。