(きた日誌) 京都府鍼灸師会 講演『コロナ感染症』
先日 京都府鍼灸師会よりお声がけいただき 講演に伺いました。
テーマはまさに『コロナ感染症に対する東洋医学的治療』
表面上は 感染者数も減り、落ち着いているかのように見える新型コロナ感染の状況ですが、これまで診察に来られている方に加えて、日々いわゆる後遺症で苦しんでおられる方の受診が続いています。
病態が不明であり、通常の後遺症外来では経過観察や精神的な問題と言われてしまうケースが多いため、当院では、個々の状況によって異なりますが、上咽頭擦過療法(EAT。以前はBスポット治療と呼ばれた)をはじめ、抗酸化としての水素吸入・還元電子治療・サプリメント使用、周波数を調えるバイオレゾナンス、漢方薬、各種栄養素などを組み合わせた療法で、少しずつでも上向いておられる方が増えてきました。
また、「自律神経のはたらきが悪いですね」と言われることがありますが、他院で行う採血などでは異常はないといわれる。そういった状況でも、当院では、患者様に負担ない検査を行って、つらさ・しんどさの原因となる『自律神経機能の見える化』にも取り組んでいます。
一例を示すと
左のグラフは山の形が高いほど、環境変化の適応力が低いことを示しています。見ていただくと、とんがっているといえるほど、山が高くなっています。やはり後遺症で不調の方の特徴①としては、環境適応力が低下しているんですね。
さらに、右のグラフを見ると、交感神経・副交感神経の棒グラフが、基準値にまで到達していません。よく、交感・副交感神経はシーソーだといわれますが、それほど単純ではありません。このように、車でいうと、交感神経=アクセルも踏み込めない=元気が出せない。一方で、副交感神経=ブレーキ=からだをリラックスさせることもできない。そんな状況があります。後遺症の不調の方の特徴②としては、アクセルもブレーキも効いていない状態なんだと思います。
今回、鍼灸師の方々を対象とする会にお呼びいただきましたが、後遺症症状に鍼灸がたいへん効果的な方もおられます。鍼灸の先生とも連携が進んでいて、ますますその役割も増していくと感じています。日本統合医療認定施設として、適切な統合医療・個々にあった適正な医療の提供をすすめていきたいと思います。