年初あたりからの新型コロナウィルス感染 世界的パンデミックにより、私たちの生活は一変しました。

通常の生活が、これほど危うい、脆い基盤の上に成り立っていたのか、と驚かされるのと同時に、あらためて日常の、何気ない生活の幸せを実感しています。虎舞竜『ロード』の一節ではありませんが、なんでもないようなことが幸せだったと感じます。

医療においては、耐性菌との戦いは続いているものの、薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの発布、新しい薬の開発などがすすめられている。またウィルス感染は、SARS、MERS、新型インフルエンザ感染などの感染が起こってきたものの、世界的な拡大が食い止められ、鳥インフルエンザなどは、地域、公衆衛生での対応により、ことなきを得てきた。

多くの方が困っている代表的な疾患として、
感染症が問題になってきた「赤の時代」(炎症は発赤を伴うので赤色に例えられる)から、
アレルギー性疾患を主とする「白の時代」(鼻炎などの粘膜が蒼白になることから白色に例えられる)などといわれた。
もちろん、ウィルス感染の脅威は、感染症や公衆衛生に関わっておられる医療関係者のあいだでは、こういうパンデミックが起こることは想定されていたのかもしれないが、広い意味での医療としては、なんとなく人類は感染症を克服できた、感染症は怖くない、という印象があったような気がする。

厚生労働省が公表した2018年の統計を見ると、
死亡順位別では、第1位は悪性新生物(いわゆるがん)、第2位は心疾患(高血圧性を除く)に続き、第3位は老衰となった。
これまで上位であった肺炎は第5位になった。どこまでを老衰とするか、といった統計的な要素はあるが、がんと心臓疾患を克服することが、長寿への近道だと思ってきた。

ただ、私たちのからだはもとより、生活の中には、無数の細菌、ウィルスが存在している。すべての細菌・ウィルスが、ヒトや動植物を死滅させようとしているわけでもなく、逆に恩恵をもたらしてくれることもとても多い。あらためて、抗菌・抗ウィルスということと、共菌・共ウィルスということを考えさせられる。

 

 

さて、ちまたには、様々な対処法が飛び交っていて、玉石混交な状態です。特に、未知のウィルスであり、確定的なことは言えませんが、日常に取り入れることができることを、ご自身の生活にあわせて行うことが大切だと思います。

書籍案内にもありますが、記事を掲載していただいている雑誌が発売されますので、ご参考ください。
「壮快」では、免疫ビタミンとして、いま注目されているLPS(リポポリサッカライド)について、TJ MOOKでは、実践できる対処法について、それぞれ紹介しています。
当院でも、感染対策としての 各種ビタミン・ミネラルなどをあつかっています(クリニック内で購入していただけます)。お電話でもご相談ください。

 

※TJ MOOKは、コンビニでもお買い求めいただけます。ただし、当然のことながら、外出自粛の徹底をお願いします。
『壮快 2020年6月号』『宝島社 TJ MOOK 新型コロナウィルス対策!免疫力を上げる50の方法 』
 

また、先にも書きましたが、ビタミンがいい、ミネラルが必要…などは、目にすることが多いと思いますが、アーユルヴェーダに関わる一人として、インド政府 AYUSH省から発出されているアーユルヴェーダ セルフケアを、あらためてここにお示ししたいと思います。もちろん、適宜 医学的検査、診断、治療が必要なことはいうまでもありません。

Ayurveda’s immunity boosting measures for self care during COVID 19 crisis

◆一般的な対策
1.一日を通してお白湯を飲みます。
2.
ヨガアーサナ、プラナヤマ呼吸法、瞑想をAYUS省のアドバイスに従って、少なくとも毎日30分間練習してください。
3.
Haldi(ターメリック)、Jeera(クミン)、Dhaniya(コリアンダー)、Lahsun(ガーリック)などのスパイスは料理におすすめです。

◆アーユルヴェーダの免疫促進策
1.
Chyavanprash(チャヴァナプラーシュ)10gm(ティースプーン一杯)を朝に服用します。 糖尿病患者は無糖のチャヴァナプラーシュを服用してください。
2.
Tulsi(ホーリーバジル)、Dalchini(シナモン)、Kalimirch(黒コショウ)、Shunthi(乾燥生姜)、Munakka(レーズン)から作られたハーブティー又は煎じ薬(Kadha)を1日1〜2回飲みます。必要に応じて、jaggery(天然砂糖)及び/又は新鮮なレモンジュースを好みに合わせて加えます。
3.
Golden Milk – ティースプーン半分のHaldi(ターメリック)粉末が入ったホットミルク150 ml を1日1回又は2回飲みます。

◆簡単なアーユルヴェーダの実践法
1.経鼻法 両鼻腔(鼻の中)にごま油やココナッツオイルやギーを朝、夕に塗ります。
2.オイルプリング・セラピー
ゴマ油やココナッツオイルをテーブルスプーン1杯口に含み(飲みこまないように)、2.3分左右に動かします。その後吐き出して、ぬるま湯で口をすすぎます。1日に1~2回行うのが良いでしょう。
3.乾いた咳やのどの痛みがあるとき
新鮮なプディナ(ミント)の葉やアジョワン(キャラウェイシード)を水の中にいれてボイルして、その蒸気を日に一度吸引します。咳やのどのイガイガがある際は、クローブ(丁字)の粉末に天然の砂糖や蜂蜜を混ぜて1日に2~3回とります。

まだまだ、先が見えないたたかい(同じたたかいでも、” 戦い ”、” 闘い ””ではなく、” たたかい ”というのが、私の感じている印象です)が続きますが、日々の予防・対策、またアーユルヴェーダではとても重視される、毎日の養生=ディナチャリアを見つめ直して、がんばっていきましょう。

 

 

きたにし耳鼻咽喉科