鍼灸治療を受けられた経験がある方は、少なからずおられることでしょう。では耳針はいかがでしょう?
受けたことがないどころか、聞いたことがない という方も多いかと思います。

今回、本場 フランス式耳針 ノジェ式耳介療法について、深い知識と長い臨床経験をお持ちの
はら接骨院・鍼灸院院長の原 浩之先生(名古屋市緑区鳴海町山下)のご指導を受け、耳針・耳介療法の研修を終え、資格を取得できました。
同期参加者さんは、鍼灸師・鍼灸師を目指す方の中、いい雰囲気で学ばせていただきました。講師の原先生は、単なる知識の羅列ではなく、ご自身の経験やクライアント様への向き合い方なども伝えてくださり、自身の診察にとっても、とても有意義なセミナーでした。

 

最近は、戦場鍼 BattleField Acpuncture がテレビ番組でも紹介され、短期間で痛みを取る療法として 耳針が知られるようになりました。耳介療法は、フランス人医師 ポール・ノジェ博士により創始され、もちろん痛みだけでなく、耳介への刺激によって、各種 脳内への反射などを通して、様々な不調を調えることができることがわかってきており、世界的にも普及が進んでいます。

私たち耳鼻科医は、医師の中では 最も多くの耳介を観察している医師といえるでしょう。ただ一方で、外耳炎、ハント症候群、耳瘻孔感染など、耳介に明らかな症状がある場合を除くと、耳介自体を丁寧に観察することは少ないものです。私自身、これだけ日々多くの耳介を見ているのに、「さほど詳しく観察していなかった」「耳介療法を取り入れてみたい」という思いが芽生えて、今回 学ばせていただくことになりました。

フラクタル。自己相似性。
図形の全体を いくつかの部分に分解していった時に 全体と同じ形が再現されていく構造。
ある一部分が、全体を表す。耳介療法では、耳介を上下逆さまの胎児に見立てる。まさに
『耳はなんでも知っている』

色々な準備が整えば、さっそく当院でも、患者様に提供していきたいと思っています。なんとなく、痛そう、怖そうというイメージをお持ちの方があるかもしれませんが、私自身の経験もふまえて、ほぼつらい痛みを感じることはありませんのでご安心ください。


からだはすべてつながっています。
さらに からだだけでなく、こころ、氣、ひいては自然ともすべて つながりがあります。
症状だけ、不調の部位だけにフォーカスしていても、なかなか改善できないケースを多く見かけます。ぜひ、まずは自身の耳介を観察してみましょう。こんな形だったかな、こんなに硬かったかな、乾燥しているなあ などを感じ取ってみてください。そして、こころをこめて、さわったり、揉んだりしてみてください。それだけでも、あなた自身の からだ全体を見て、調えていることになります。

きたにし耳鼻咽喉科