わかさ夢ムック139 『耳鳴り 聞こえにくさ 1日20分聴くだけでよくなる!水の音CDブック』
記事を掲載していただいています。

副鼻腔炎・花粉症・後鼻漏・のどの異物感などと並んで、耳鼻科では本当に多くのご相談をいただくのが、難聴・耳鳴り・めまい。
ほんとうに対処法がない、難しい症状です。他の疾患、症状と同様ですが、~さえすれば・食べれば治る、すべての方に有効、という方法はないと思います。

常々、診察や講演会、著書などでもお話させていただいていますが、病気は、その方が試されている「試験」なのかなと思います。

●病気や症状は、今 あなたが抱えている問題を提示している「試験問題」。試験結果が悪いということは、この科目が弱いですよ!その勉強法が間違っていますよ!という気づきのサイン。生活習慣を変えないとたいへんなことになりますよ!という病気・症状というサインに気づかないと…

●西洋医学は、どちらかというと「一夜漬け勉強」。前日に必死につめこんで、一時的にいい点数が取れても、ほんとうに理解していないと、また次の試験では点数が下がる。薬で一時的に調子が回復しても、本当の意味で治ってはいない病気と同じ。

●薬は、「参考書」。絶対〇〇大学に合格できる、という参考書はない。誰でも合格できるという、万人向けの参考書はない。絶対に治るという薬はない。誰にでも効くという薬はない。うまく使うこと。自分にあうものをみつけること。

●主治医は、「学校や塾の先生」。勉強についていいアドバイスをしてくれる。いい参考書をすすめてくれて、勉強を教えてくれる。ただし、勉強するのは自分自身。学校や塾の先生が、合格させてくれるわけではない。主治医は、病気や症状について、日々のアドバイスをしてくれるし、いいお薬も処方してくれる。ただし、治る・治すのは自分自身。決して、主治医が治してくれるのではない。

●セルフケアは、「日々の勉強」。コツコツと続けることで、だんだんと成績アップ。ほんとうの意味で内容を理解していることになる。症状も、少しづつよくなって、ぶり返さない。ただし、知っていても、やってみようかな、といって実践しない人も多い。どうせやっても変わらないしな、といってはじめから取り組まない人も多い。毎日のセルフケアも同じ。調子がよくなっている方は、ほとんどセルフケアを、しかも楽しみながら実践されている。

自分の弱点や原因に気づき、日々の地道な取り組みをして、自分自身が治る主体であることを理解する。これ以外に、合格する、改善する近道はありませんね。

 

きたにし耳鼻咽喉科