今年の花粉症は、スギ花粉が飛散が少し遅かったこともあり、スギとヒノキ花粉が重なり、つらい方が多いようです。また黄砂、PM2.5の影響も少なからずあるようで、特に長時間外にいる子供たちや、外でのお仕事をされている方は、症状がひどくなっていますね。そういう私自身も、くしゃみでおきたり、起きるとさっそく鼻がつまって鼻みずがたれて、と苦労しています。

さらに、ネットニュースなどでは取り上げられているようですが、インフルエンザが”だらだら”と流行し、ここ2、3週間は、ずっとB型の感染が続いています。こちらも、まだ油断禁物ですね。

週末は酵素栄養学の勉強で東京に行ってきました。週末の強風で、桜も散り始めていますが、毎年この淡いピンク色(という表現しかできないのが情けない…)に感動する、この気持ち自体を楽しんでいます。というのも、最近は、日本人といっても、「刺激的」「濃い」ものをよしとする傾向があるように思います。

さくらのあわい色合いはもちろん、特に味についても、ソース、たれが全盛で、素材そのものの味をあじわう、ということが少なくなっているように思います。私自身は、栄養の勉強もさせてもらっていることもあり、また元から濃い味が好きではなかったのですが、子供たちや両親を見ていても、何にでもソース、しょうゆ、マヨネーズ、ドレッシング、たれ、などなど。

こうして食べたら、元がどんな食べ物でも、結局同じ味になっているような…。なんともいえない素材の味、食感を堪能するのも、またとても楽しいもので、これぞ日本人的と思える瞬間です。

博士号取得にむけて勉強していたときに、あらためて”動植物の進化”の面白さ、素晴らしさを認識しました。特に動物の感覚、もっといえば五感は、生きていくために必要な情報を得るための感覚だったんですね。今でこそ、味わいということが言える時代ですが、においや味はその最たるもので、このにおいは、この味は、ということから、その食べ物、その場所、その動物が、危険かどうかを判断していたのです。

すっかり、生死にかかわる感覚としての嗅覚、味覚を失ってしまった私たち現代人ですから、せめてちょっとしたにおい、味の違いを味わいたいものです。

4月はファスティング(断食)合宿、5月はプラセンタの学会でのパネリスト(予定)、6月はアーユルヴェーダのセミナーでの講演と、なかなかゆっくりする時間がないのですが、日々五感をはたらかせて、いろいろと日常を味わいたいものです。

きたにし耳鼻咽喉科