いわゆる第7波の感染はピークアウトと考えられる状況になっている。ただ、
まだまだ 感染後の症状が続いている、お困りの方の受診が途切れることはない。

本日時点でも、少なくとも200名を超える新型コロナ感染後の症状の方が受診されている。「コロナ後遺症外来」開設、と謳っているわけではないので、一耳鼻科開業医のところに、これだけの数の方からの受診ご相談があること自体が、この新型コロナ、後遺症状の異例さ、怖さを表しているといもいえる。

まだまだ、どういった対処法、治療がいいのかが不確定な後遺症状であり、各医療機関、各先生とも、手探りの中での対応が続いている。そういった点をふまえても、依然としてコロナ後遺症外来での対応が「薬を出すだけですが」「年齢が〇歳以上でない場合は診察しません」だけというケースも少なくない。

新型コロナ感染後の症状として、難聴、耳閉感をお聞きすることも増えている。もちろん、個々の患者様で、経過、症状や診断が異なる。ただ、耳鼻科を受診しても、聴力検査で異常がなければ、「何も異常はありません」「様子を見ましょう」という答えだけということも多いようである。

コロナ感染後の難聴・耳閉感で受診されたケース。他院耳鼻科数件で診察を受けるも、検査では異常なく、軽い外耳炎などと診断。依然として不調が続くため、来院された。よくよくお聞きすると、感染時に下痢や食欲不振で、短期間に体重がかなり減ったと言われた。鼓膜所見を見ると、呼吸性に鼓膜が動く。まさに耳管開放症であった。診断が明確になったことと、漢方薬の処方により、症状は改善していかれた。このように、検査で異常がなければ問題なしではなく、また感染後の症状だからといって、なんでもEAT(上咽頭擦過療法)を始めるという雑なやり方でもなく、しっかりと感染時・感染後の体調をお聞きして対処することで、改善することもあることを、再認識することになった。

 

※拙書『慢性副鼻腔炎を自分で治す』(マキノ出版)の過去の記事は→こちら

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きたにし耳鼻咽喉科