先日のブログでも書いたように、まだまだ コロナ感染後遺症 いわゆるLongCOVIDで受診される方が続いている。

WHO(世界保健機関)では
「新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる。)」と、後遺症(post COVID-19 condition)について定義しているが、感染直後であろうが、長く続いていようが、不調の方にとっては、日々のつらさは同じといえる。

特に問題になっているのが学校や仕事に行けなくなる状況である。「クラッシュ」「PEM Post Exertional Malaise」などという名前を目に耳にすることも増えているが、感染の療養期間を経て、さあ復帰しようと登校、出勤してみると、ほんとうにだるくて、しんどくて動けない。2,3日がんばって行っては見たものの、学校や職場で倒れこんでしまって、授業や仕事にならない。まさにクラッシュ。

そのまま1学期が終わり、2学期が終わり…。職場では、復職を試みるも、やはり長くは仕事には戻れず、やむなく休職。場合によっては退職。

周囲やご家族が、時には 医師側から「からだを動かした方いい」といって、からだや脳に負荷をかけすぎると、かえって倦怠感が増してしまうケースが多い。当然ながら、ご本人も「早く学校に行かないと」「仕事をそのままにして、いつまでも休めない」と、がんばろうとしてしまう。

まだまだ医療現場でも、対処法が定まってはおらず、先のブログにもあげたように、後遺症外来を受診してみても、かかりつけ医に相談してみても、「様子を見ましょう」「特に対処法はありません」。たくさん検査をしてもらったので、何かわかるかと期待して聞きに行くと「検査では異常はなかったです」。かえって、後遺症外来を受診された方が、何も対処法がないと聞いて、落ち込みがつよい場合もある。

評価は確定していないが、EAT(上咽頭擦過療法)論文も発表され、徐々にその効果に一定の確証がそろいつつある。ただし、しっかりとした診断もなくEATのみをやり続けることだけで解決するほど 簡単ではない。EATを中心として、当院での取り組みで
「学校生活に戻れるようになった」
「少しずつ 復職できるようになっています」
「先の光が 見えてきました」
などと報告してくださる方が増えている。

病院・医院での治療のみならず、しんどいながらも 日常の養生、生活リズムを崩さない生活、糖質・炭水化物・小麦・乳製品など体調に影響する食事内容の見直し さらに、
後遺症 特にクラッシュ・PEMに対する家族をはじめ、周囲の理解 これらがすべてそろってはじめて まさに「光が見えてくる」ように思います。

 

※拙書『慢性副鼻腔炎を自分で治す』(マキノ出版)の過去の記事は→こちら

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きたにし耳鼻咽喉科